
ラーゲリより愛を込めて
FROM SIBERIA WITH LOVE
帰国の日は必ずやって来ます。
帰国の日は必ずやって来ます。
第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留され捕虜となった。あまりにも残酷な日々に誰もが絶望する状況下においても、ただ一人、生きることへの希望を捨てなかった人物。それが山本幡男<やまもと はたお>である。ラーゲリでの劣悪な環境により栄養失調で死に逝く者や自ら命を絶つ者、さらには日本人捕虜同士の諍いも絶えない中、山本は生きることへの希望を強く唱え続け、仲間たちを励まし続けた。自身もラーゲリに身を置き、わずかな食糧で過酷な労働を強いられていたが、仲間想いの行動とその力強い信念で多くの捕虜たちの心に希望の火を灯した。
そんなラーゲリで一筋の希望の光であった山本幡男の壮絶な半生を、その高い演技力と豊かな表現力で俳優・アーティストとして、多くの人々に希望を与え続けてきた二宮和也が演じ、映画化されることが決定。
メガホンを取るのは、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64-ロクヨン- 前編/後編』などで国内外問わず数々の映画賞を受賞し、骨太な社会派ドラマから感動の恋愛物語まで、ジャンルを超えて卓越した演出力を発揮し続ける瀬々敬久監督。
脚本は『永遠の0』『糸』の林 民夫が務め、極限の世界で生きる人々の姿を鮮明に描きだし、「生きることへの希望」を強く訴えかける。
撮影は2021年10月下旬から12月下旬に行われ、今冬公開予定。生活様式や価値観が大きく変わり混沌とする現代にこそ贈りたい、鬱屈したこの時代に光を灯す〈愛の実話〉。
珠玉の人間讃歌であり、観るもの全ての心震わす感動巨篇が誕生する−
第二次大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア…。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。」絶望する捕虜たちに、山本は訴え続けた―
劣悪な環境のラーゲリでは、日本人同士の争いも絶えなかったが、山本はどんな環境にあっても分け隔てなく皆を励ました。そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた日本人捕虜たちの心を次第に溶かしていく。山本はいかなる時も日本にいる妻や4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じていた。
終戦から8年が経ち、山本に妻からの葉書が届く。厳しい検閲を潜り抜けたその葉書には「あなたの帰りを待っています」と。女手一つで子どもたちを育てている妻を想い、涙を流さずにはいられなかった。誰もがダモイの日が近づいていると感じていたが、その頃には、彼の体は病魔に侵されていた。体はみるみる衰えていくが、愛する妻との再会を決してあきらめない山本。そんな彼を慕うラーゲリの仲間たちは、厳しい監視下にありながらも、山本の想いを叶えようと思いもよらぬ行動に出る―
【プロフィール】
辺見じゅん(1939-2011)
歌人で作家。富山県で生まれ、早稲田大学第二文学部卒。
私小説風から童謡・詩歌まで幅広い作品を手がけ、ノンフィクション作品においては丹念な聞き取りを元に構成していると評価が高い。
1984年、『男たちの大和』で第3回新田次郎文学賞を受賞。
1988年、『闇の祝祭』で第12回代短歌女流賞を受賞。
1989年、『収容所から来た遺書』で
第11回講談社ノンフィクション賞を受賞。
1990年、『収容所から来た遺書』で
第21回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。